夫の「同居介護してほしい」にどう向き合う?介護の押し付けを防ぐ対策と解決策
A子さん(50代)は、夫と二人の子どもと暮らすごく普通の主婦。義両親の家から車で10分ほどの距離に住みながら、自分の両親の介護にも奔走している。
ある日、夫が何気なく言った。「親が介護が必要になったら、一緒に住んで面倒を見てくれないか?」
結婚当初、夫は「親には家を売って施設に入ってもらうつもり」と話していた。しかし今になって、そんな話はどこへやら。同居前提の介護を求められ、A子さんは困惑した。
「私の親も介護が必要なのに、義両親の面倒まで見られるわけがない…」
義両親にはすでに嫁いでいる妹がいる。しかも、義両親はその妹の家をよく訪ねているのに、介護の話になるとA子さんが担当する前提になっているのが納得いかない。
「義両親の介護、なぜ私が…?」と悩んでいるA子さんのような状況、決して珍しくありません。夫の考えが変わり、突然「親と同居して面倒を見てほしい」と言われると、負担が大きくのしかかります。
自分の親の介護もあるのに、義両親の面倒まで見るのは無理…そう思うのは当然です。そこで今回は、同じ悩みを抱える人のために、具体的な解決策を紹介します。
1. 夫の考えが変わった理由を探る
結婚当初は「親の家を売り、施設に入ってほしい」と言っていた夫が、なぜ突然「同居介護」と言い出したのでしょうか?
考えられる理由としては、
✅ 施設の費用が心配になった
✅ 親の希望を優先したくなった
✅ 周囲(親族・世間)の影響を受けた
✅ 介護の実態を理解していない
などが挙げられます。
まずは夫の気持ちを冷静に聞き出し、「なぜ考えが変わったのか?」を探ることが大切です。そのうえで、感情的にならずに「同居介護が難しい理由」を伝えましょう。
🗣️ 夫への伝え方のポイント
- 「私の親も介護が必要で、両方の親の面倒を見るのは現実的に無理」
- 「義両親には夫の妹さんもいるから、まずは家族全員で話し合いたい」
- 「同居がどれだけ大変か、実際に介護現場を見て考えてほしい」
感情的に反論せず、具体的な問題を伝えることで、夫も冷静に考えるきっかけになります。
2. 義両親の介護、夫の妹とどう分担する?
義両親は妹の家を訪ねることもあるなら、夫の妹も介護に関わるべきです。まずは家族で話し合いをして、分担の方針を決めましょう。
🏡 具体的な分担案
✅ 義両親の生活支援は夫の妹がメインで担当(買い物や通院付き添いなど)
✅ A子さん家族は金銭的な支援を中心に(施設の費用負担を検討)
✅ 介護が本格化したら、施設入所を第一候補に
もし夫の妹が「介護は一切できない」と言う場合は、「同居が無理なら、施設を考えるべき」という方向で話を進めるのが現実的です。
🏥 施設利用のために活用できる制度
- 地域包括支援センター(介護の相談窓口)
- 要介護認定の申請(介護保険サービスを受けるための第一歩)
- 特別養護老人ホーム(特養)(費用が比較的安い公的施設)
- 介護付き有料老人ホーム(手厚いサービスがあるが費用が高め)
まずは地域包括支援センターに相談し、どんな選択肢があるか確認しましょう。
3. 「同居介護は難しい」と夫に納得してもらうには?
夫が「同居でなんとかなる」と思っているなら、介護の大変さを理解してもらう必要があります。
👀 夫に実際の介護を経験させる
- 義両親の介護生活を1日夫に体験してもらう
- デイサービスやショートステイの見学に一緒に行く
- 地域の介護イベントに参加させる
夫が実際に関わることで、「これは簡単じゃない」と気づくきっかけになります。
4. どうしても夫が納得しない場合は?
もし夫が「それでも同居しかない」と譲らない場合、以下の対応を考えましょう。
✅ 専門家(ケアマネージャー・介護相談員)を交えて話す
✅ 義両親自身に、施設の可能性を聞いてみる
✅ 夫がどうしても同居を希望するなら、夫自身がメインで介護する前提にする
「介護=妻の仕事」ではないことを理解してもらい、現実的な選択肢を検討してもらうことが大切です。
5. 最終的には「私はやらない」と意思表示をする
何を言っても「嫁がやるものだ」と押し付けられるなら、毅然とした態度を取ることも重要です。
- 「私は私の親の介護もあるので、義両親の介護はできません」
- 「夫と夫の妹が中心になって考えてください」
ここで「申し訳なさそう」にすると、ズルズル押し付けられることが多いので、ハッキリとした態度を取ることが大切です。
まとめ 🏡
夫の考えが変わり、「同居介護してほしい」と言われたら、焦らずに以下の対応をしましょう。
✅ まずは夫の考えが変わった理由を探る
✅ 夫の妹と話し合い、介護の分担を決める
✅ 施設利用の可能性を考え、地域の制度を活用する
✅ 夫にも介護の大変さを経験させる
✅ どうしても夫が納得しない場合は、専門家を交えて話す
✅ 最終的には、毅然とした態度で断る
介護の負担は、一人で抱えるものではありません。夫、夫の妹、そして公的サービスをうまく活用して、「無理のない介護」を目指しましょう。
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